PCにUPSは必要?停電・瞬停対策が必要な人と選び方

UPS(無停電電源装置)は、停電してもPCを長時間使い続けるためのバッテリーではない。

UPS(無停電電源装置)は、停電してもPCを長時間使い続けるためのバッテリーではない。

家庭用PCでは主に、

停電・瞬停が起きたときに、作業中のデータを保存して安全にシャットダウンする時間を確保する

ために使う。

全員に必要な機器ではない。

まず「停電で困る機器があるか」を考え、その後に接続機器の最大消費電力と必要なバックアップ時間から容量を決める。


先に結論

UPSを検討する価値が高いのは、

  • デスクトップPCで作業データを失いたくない
  • NASや外付けストレージを常時稼働している
  • 瞬停が起きる環境
  • 停電時に自動シャットダウンさせたい
  • 電源電圧の変動にも備えたい

人。

候補は容量だけでなく方式も分けて見る。

  • 330Wクラス・家庭/SOHOの基本候補 → APC BR550S-JP
  • 500W前後・PFC電源+AVR・多コンセントを重視 → CyberPower CP750PFCLCD JP
  • 700W前後・正弦波・国内メーカーの常時商用方式 → OMRON BW120T

一方、正常な内蔵バッテリーを持つノートPCだけなら優先度は下がる。


UPSを買う前に確認すること

まず接続機器の最大消費電力を出す

UPSはVAだけで選ばない。

確認するのは、

  1. 負荷機器の最大消費電力(VA/W)
  2. 入出力電圧
  3. UPSの給電方式
  4. 必要バックアップ時間

。

PCだけでなく、

  • モニター
  • NAS
  • ルーター
  • 外付けストレージ

など、バッテリーバックアップ側へ接続する機器の負荷を合計する。


VAとWの両方を見る

今回の代表候補は、

  • APC BR550S-JP:550VA / 330W
  • CyberPower CP750PFCLCD JP:750VA / 525W
  • OMRON BW120T:1200VA / 730W

。

UPSへ接続する負荷は、VA値・W値の両方で製品上限を超えないようにする。

「1000VAなら1000Wまで使える」という見方はしない。


必要なのは何分か

バックアップ時間は負荷によって大きく変わる。

同じUPSでも、接続する機器の消費電力が増えればバッテリー運転時間は短くなる。

購入前にメーカーのランタイム表・選定ツールで、自分の最大負荷に対して安全に保存・終了できる時間が取れるか確認する。


給電方式も見る

家庭・SOHO向けUPSでも方式は同じではない。

ラインインタラクティブ方式

APC BR550S-JPやCyberPower CP750PFCLCD JPが該当。

電圧変動をAVRで補正できる製品があり、一定範囲ではバッテリーを使わず電圧を調整できる。

常時商用給電方式

OMRON BW120Tが該当。

通常時は商用電源をそのまま使い、異常時にバッテリーへ切り替える。BW120Tはバックアップ時も正弦波で、切替時間は10ms以内。

どちらが常に上という話ではなく、保護したい機器・機能・予算で決める。


正弦波を優先する

現在のPC用電源にはPFC回路を搭載するものが多い。

OMRONもPFC電源との組み合わせでは正弦波UPSを推奨しており、矩形波UPSではUPS側やATX電源側が停止する例を示している。

今回の3候補はいずれもバックアップ時に正弦波を出力する。


自動シャットダウンを使うか

UPSは停電時に人がPCの前にいるとは限らない。

今回の候補はいずれもUSB通信による管理手段を持つ。

  • APC:PowerChute系
  • CyberPower:PowerPanel Personal
  • OMRON:PowerAttendant等

を使い、対応OS・ソフトウェアの現行状況を利用前に確認する。


3候補の違い

商品最大出力給電方式主な特徴向く目安
APC BR550S-JP550VA / 330Wラインインタラクティブ正弦波、AVR、LCD、交換可能バッテリー低~中負荷PC・NAS
CyberPower CP750PFCLCD JP750VA / 525Wラインインタラクティブ正弦波、AVR、PFC互換、カラーLCD、10口中負荷PC+周辺機器
OMRON BW120T1200VA / 730W常時商用正弦波、LCD、USB、自動シャットダウン対応高負荷PC環境

※容量だけで機械的に選ばず、実負荷と必要ランタイムを先に確認する。


低~中負荷の家庭・SOHO

APC BR550S-JP

550VA / 330Wのラインインタラクティブ方式UPS。

バッテリー運転時は正弦波。AVR(自動電圧調整)を備え、家庭やオフィスのPC・周辺機器・NASなどを停電や電圧変動から保護する現行モデル。

向く人

  • 合計最大負荷が330W以内
  • デスクトップPCやNASを必要最小限保護したい
  • AVR付きの家庭/SOHO向けモデルを選びたい
  • 大容量UPSまでは必要ない

注意

高性能デスクトップPCでは、負荷ピークやモニターを含めると330Wを超える可能性がある。

またAmazonでは型番末尾に「E」が付くEC向けモデルがあり、通常モデルとは保証・サポート期間が異なる。購入時は型番を混同しない。


中負荷PC+周辺機器

CyberPower CP750PFCLCD JP

750VA / 525Wのラインインタラクティブ方式UPS。

純正弦波、AVR、アクティブPFC互換を明記。10個の出力コンセントを備え、そのうち5個がサージ保護付きバッテリーバックアップ、5個がサージ保護のみ。

USB-A・USB-C充電ポート、カラーLCDも備える。

公式ランタイムは半負荷で約7.1分、全負荷で約1.5分。

向く人

  • 330Wクラスでは足りない
  • PFC電源のデスクトップPCを使う
  • モニターやネットワーク機器もまとめたい
  • コンセント数を多く確保したい
  • PowerPanelで管理したい

注意

10口すべてが停電時にバッテリー給電されるわけではない。

停電中も動かす必要がある機器だけをバッテリー側へ接続する。


高負荷PC環境

OMRON BW120T

1200VA / 730Wの常時商用給電方式UPS。

商用時・バックアップ時とも正弦波。出力コンセントは4口、USB通信に対応し、無償の自動シャットダウンソフトを利用できる。

定格730W時のメーカー公称バックアップ時間は約3.6分。

向く人

  • 500Wクラスでも余裕が足りない
  • 高性能デスクトップPCと必要周辺機器を保護したい
  • 国内メーカーの正弦波UPSを選びたい
  • USB管理・自動シャットダウンを使いたい

注意

常時商用給電方式で、APC/CyberPowerのラインインタラクティブ型とは方式が違う。

AVRの有無を含め、単純な最大Wだけで比較しない。

また本体は約7.9kgあるため、設置場所も確認する。


雷対策だけならUPSが必須とは限らない

UPSにはサージやスパイクから接続機器を保護する製品もあるが、UPSの本質はバッテリーバックアップ。

「停電時の給電は不要で、サージ対策だけしたい」という目的なら、UPS以外の電源保護製品も含めて考える。

本記事では雷対策単独の記事へ広げず、停電・瞬停時にPCを安全に止めることを主目的にする。


ノートPCなら優先度は下がる

バッテリーが正常なノートPCは、停電するとAC電源から内蔵バッテリーへ切り替わる。

そのためデスクトップPCよりUPSの必要性は低い。

ただし、

  • NAS
  • ルーター
  • 外付けストレージ
  • デスクトップPC

など停電で即停止する機器を同時に保護したいなら別。


最後に

UPSは「一番大きい物を買う」のではなく、

保護したい機器を決める
→ 最大負荷VA/Wを確認する
→ 必要なバックアップ時間を決める
→ 給電方式・管理機能を確認する
→ 条件を満たすUPSを選ぶ

の順。

商品名より先に、自分の負荷条件を決める。

仕事の記事一覧へ →